12球団の狙いはっきり「3つの戦略」 異例の9球団“1位公表”がもたらした展開
戦力整うヤクルトに少し見える“余裕”、阪神、巨人はトレード、FAに自信?
2年連続日本一を目指すヤクルトについては「1位の吉村(貢司郎)くんは、組み立てて長いイニングを投げるより、短いイニングで出力を上げて出す方が向いているのではないかと思う」と先発ローテよりもセットアッパー向きかもしれないと分析。3位の澤井廉外野手(中京大)、5位の北村恵吾内野手(中大)は強打者タイプ。「でも、ヤクルトにはそのあたりの選手は内野も外野も日本人、外国人にいるため、いきなりチャンスが多くあるとは考えにくい。レギュラー陣にどれだけ刺激を与えられるか」と少し他の球団よりも戦力の“余裕”が感じられるが、競争を激しくさせることでチーム力アップになるかもしれない。
育成特化型は文字通り、来季に向けた戦力補強ではなく、近い将来に1軍の戦力になれる選手たちを指名。オリックス1位の曽谷龍平投手の白鴎大とはエイジェックがオープン戦を行っており「綺麗なフォームで故障しないような投げ方をしている投手」と高く評価。ただ、オリックスの左の投手陣は「ライバルが多いと思う」とまずは戦える体力づくりが鍵となる。曽谷については「まずはシーズンに対応できるフィジカルですね」と解説した。
そして気になる「補強期待型」の2球団。阪神は4人の高校生を指名。こちらも育成型に近いが「先日の2対2のトレードで日本ハムから獲得した渡邉諒内野手も含め、現在の戦力に自信があるから、そこまで即戦力に走らなかったのではないか」と見る。巨人も5人という少なさでドラフトを終えている。高校、大学、社会人とバランスが取れている。「1位の浅野くんも即戦力ではないですし、他の選手もすぐにローテーション入り、レギュラーにというのは現在の戦力を見ても考えにくい。この後のFA補強を見据えての指名のように見えます」とそれぞれの球団に特色のあったドラフトになったと振り返った。
(Full-Count編集部)