“シリーズ男”は現れるか? 助っ人が存在感、打率1割台で受賞の例も…過去のMVP

ヤクルト・中村悠平(左)、ソフトバンク・甲斐拓也【写真:荒川祐史】
ヤクルト・中村悠平(左)、ソフトバンク・甲斐拓也【写真:荒川祐史】

昨年は燕・中村が全6戦に出場、好守で牽引して受賞した

 2022年の日本シリーズは第2戦を終えヤクルトがオリックスに1勝1分とし、球団史上初となる2年連続日本一に期待がかかっている。短期決戦でチームに勢いを付けるのは“シリーズ男”の存在。ヤクルトでは塩見が打率.624、オスナは打率.667と好調で、オリックスも紅林が打率.444の活躍を見せている。

 このまま好調を維持し、チームの勝敗を左右する存在になれるのか。それとも第3戦から驚異的な活躍を見せる選手が現れるのか――。ここでは優勝チームを支えた、過去の日本シリーズMVPを振り返っていく。

 昨年はヤクルトの中村悠平捕手が受賞。全6戦に「6番・捕手」でフル出場し、第1戦では高卒2年目の奥川の好投を生むと、第2戦では高橋を好リードして完封勝利に導いた。打っても第3戦では2点適時打を放つなど打率.318。攻守にわたってチームを牽引したことが評価された。

 打率1割台でMVPに輝いたのは2018年のソフトバンク・甲斐拓也捕手。チームは4勝1敗1分で広島を下したが、評価されたのは“打”でなく“守”だった。甲斐はシリーズ14打数2安打の打率.143と打者としての貢献度は低かったが、日本シリーズ新記録となる6連続盗塁阻止をマーク。盗塁阻止率100%の“甲斐キャノン”は全国のファンに衝撃を与えた。

 過去10年のMVPを振り返ってみると、野手が7人と圧倒的に多い。投手は先発、中継ぎと登板機会が限られているなかで、圧倒的な成績を残すことが求められている。また“助っ人”も受賞が多く、2019年ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手、2017年ソフトバンクのデニス・サファテ投手、2016年日本ハムのブランドン・レアード内野手、2015年ソフトバンクの李大浩内野手と4人が選ばれている。

 日本シリーズとレギュラーシーズンのMVPを同時に受賞したのは2017年のサファテのみ。シーズンで大活躍しても、クライマックスシリーズなどポストシーズンで絶不調に陥ると“逆シリーズ男”として注目を浴びてしまうこともある。短期決戦では1本のヒット、1プレーできっかけを掴み、手を付けられない活躍をみせる選手もいる。

 ここまでヤクルトが1勝1分と連覇に向け好発進を見せた。昨季の雪辱を晴らしたいオリックスは第3戦で白星を手にすることができるか。両球団の“シリーズ男”がチームの命運を握るかもしれない。

【一覧】打率1割台で受賞の例も…ここ10年の日本シリーズMVP

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