神奈川の公立に進んだ遊撃手が「別人」の投手に 鷹育成12位から“大化け”する説得力
早生まれの「大器晩成型」 高校で15センチも身長がアップ
高校入学時の身長・体重を聞いて、驚いた。
「170センチ前後で体重は63キロ。高校に入ったときは体が小さかったんです。それが1年間で10センチぐらい伸びて、ショートからファーストが近く感じるようになりました」
中学時代の仲間が「別人」と言うのも納得だ。
もしかして、晩熟型?
誕生日を聞いて、納得した。
「3月13日です。お母さんが172センチぐらいあるので、自分も伸びるとは思っていたんですけど、中学ではなかなか成長期が来なくて……。それが、高校1年の休校期間に一気に伸びました。中2ぐらいから牛乳をたくさん飲むようにして、今も風呂上りには300ミリリットルぐらいは飲んでいます」
新型コロナウイルスの影響で、高校の入学が遅れた世代である。4月、5月と休校になったことで、「睡眠がたくさん取れたのもよかったのかもしれません」と笑う。
身長はまだ少しずつ伸びていて、「190センチまでいきたいですけど、現実的には187センチぐらいになれば」と、未来予想図を口にした。
投手としても、完全なる晩熟型だ。
小学6年時は遊撃手、捕手、投手を務め、中学から高校2年秋まで遊撃手。本人も、投手に対する意欲はほとんどなかったという。
転機が訪れたのは、2年秋の練習だ。吉田監督が、部員全員に体重移動やリリースの感覚を教えたときに、けた違いに伸びのあるボールを投げるようになったのが飛田だった。
「40メートルのキャッチボールで、ボールが落ちてこない。横浜高校のグラウンドで及川雅貴投手(現・阪神)のキャッチボールを見たことがあって、その球筋によく似ていました。飛田には、『お前が投げているのは、ピッチャーのボールだよ』と言ったことをよく覚えています」
飛田もその言葉は覚えているが、「本当にそうなのかな……」と半信半疑だったそう。その後、冬にチームで行った計測会では、最速137キロを記録するなど、ポテンシャルの高さを証明。吉田監督は、3年生になってから「投手・飛田」で私学に挑むプランを描いていた。