台湾プロ野球後期を制した“阪神ライン” 林威助監督と平野恵一コーチの中信兄弟
若手野手の能力開花を支えた平野恵一コーチ「自信をもってもらいたい」
また、台湾人野手では、看板選手の張志豪、昨年の優勝を支えた陳子豪といった外野手が怪我や不調に陥った際、陳文杰、岳政華、林書逸といった選手が攻守で貢献。穴を埋めるどころか、スタメンに定着しつつあり、外野の競争が激化している。また内野手でも、主力の許基宏がコロナで離脱した際、代役に抜擢した黄韋盛が活躍した。
こうした若手、控え野手の才能開花を陰で支えたと言われているのが、今季から野手統括コーチとなった平野恵一(元阪神)だ。林監督の肝いりで入閣し、チーム状態が上がらない時期にはファンから厳しいヤジを飛ばされることもあったというが、成績の向上、そして活躍した選手から感謝の言葉が聞かれるようになったことで、改めてその手腕が注目されている。
台湾メディアから、チーム打撃が好転した理由や、若手野手の中で誰が最も成長したかを問われても、「秘密」と答えをはぐらかしている平野コーチだが「コーチは選手に寄り添い、困っている時に手を差し伸べてあげるものだ。でも、選手達には自信をもってもらいたい」と、指導スタンスや選手達への期待を語っている。
台湾プロ野球では今季から、台湾シリーズ進出をかけたプレーオフが毎年実施されるようになった。全てのパターンの紹介は割愛するが、今季は前期を楽天、後期を中信兄弟が制し、年間勝率1位は楽天となったことから、楽天は台湾シリーズに直接進出。中信兄弟は前後期の優勝を逃したチームのうち、勝率が最も高い味全と、10月29日から5試合3勝先勝制のプレーオフを戦う。中信兄弟には1勝のアドバンテージがある。
中信兄弟と味全のレギュラーシーズンの対戦成績は中信兄弟の16勝13敗1引き分け。前期は味全が8勝7敗でほぼ互角も、後期は中信兄弟が9勝5敗1引き分けと大きく勝ち越した。ただ、直近の2試合は味全が連勝し、胴上げを阻止した。