小学校低学年に大切なのはスイング軌道 野球指導のプロが解説する打撃ドリル

打ち終わった時のグリップ位置がポイント 意識はセンター方向

 打ち終わりでグリップが下がっていると、ボールの上にバットが当たってゴロになったり、チップしてポップフライになったりする。ドリルでは、センター方向へライナーを打つ意識を持つ。

 次のドリルは、反対側の腕を使う「後ろ手ヒッティング」。同じように片手でバットを短く持ち、ステップせずに振る。「前の手ヒッティング」同様、バットは振りきらない。グリップは上向きで、腕は肩と同じ高さまで上げる。

 この時、打球の強さよりも方向を意識する。センターに打球が飛ぶ確率が上がってくると、正しいスイング軌道が身に付いている目安になる。

 どちらの練習も、まず動きをイメージしてから実際にボールを打つといい。動きを覚えてきたら、スイングスピードを上げても形を維持できているか確認する。菊池さんは前の手と後ろの手、それぞれ8球を2セット、1か月続けると感覚がつかめてくると話す。その後は、両手でバットを持って、スイングの形を固めていく。

 小学校高学年、中学校とカテゴリーが上がるほど投手の球速は上がり、打者は変化球への対応も求められる。スイング軌道は打撃の基本となるだけに、菊池さんは「中学生や高校生にも効果があります。スイングが分からなくなった選手は基本に戻るつもりで、初心者向けのドリルを取り入れることを強く勧めます」と話している。

<プロフィール>
菊池拓斗(きくち・たくと)。1993年1月16日生まれ、福島県矢吹町出身。小学3年生で野球を始める。福島・光南高では1年夏からベンチ入り、秋から捕手でレギュラー。富士大では捕手と一塁手。高校の教員を経て、25歳の時にコーチングを学ぶために米国留学。現在は野球教室やYouTubeなどで知識や技術を伝えている。

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