オリックスが常勝軍団になるための「懸念事項」 ここ10年振り回された“当たり外れ”
来季はリーグ3連覇、1975~77年以来となる連続日本一に期待
26年ぶりのパ・リーグ連覇と日本一を達成したオリックス。レギュラーシーズンではソフトバンクと熾烈な首位争いを演じ、日本シリーズでは2敗1分けから4連勝で頂点を掴んだ。来季はリーグ3連覇と1975~77年以来となる連続日本一に期待がかかる。常勝軍団になるために必要な“ポイント”をヤクルト、日本ハム、阪神、DeNAでプレーした野球解説者の野口寿浩氏が分析した。
今シーズンのオリックスは「投手4冠」のエース・山本由伸ら充実した先発陣に加え、終盤からは支配下登録された宇田川優希、山崎颯一郎ら若手右腕が台頭したリリーフ陣が奮起。チーム防御率はリーグ2位の2.84をマークするなど“守り勝つ野球”で日本一に輝いた。
一方で打撃は迫力を欠いた。490得点はリーグ4位、89本塁打はリーグワーストを記録。リーグ3位の551得点、リーグトップの133本塁打をマークした昨季からは大幅に低下した。主砲の吉田正尚は打率.335、21本塁打88打点と安定した成績を残しているが、チーム全体でみると長打力への懸念が露呈した。
「昨季に比べ得点能力は下がりましたが、その部分を中嶋監督が上手く作戦面でカバーしました。状況に応じて反対方向に狙う打者もいます。数字以上に貢献している打者は多い。現時点では本当に足りないのは長打力だけ。シーズンを任せられる外国人選手が1人でもいれば、また違った戦い方をできたと思います」
日本シリーズで対戦したヤクルトには3冠王・村上の後に座るオスナ、下位打線でも一発長打に警戒が必要なサンタナと助っ人野手の活躍があった。