イチロー氏が女子高生への131球に込めた願い 「ちょうどいい感じでレベルが上がる」
昨年の登板後苦しんだ右肩痛…「投げられないかもしれないと思った」
49歳となったイチロー氏だが、おそらく出そうと思えば140キロ近くを計測することもできただろう。だが、女子高校選抜の選手が委縮せず、打撃向上にほどよい、“打ちやすい”よりもちょっとだけ難しめの球を、相手のスイングを観察し、探りながら投げ続けていたのだ。
とはいえ131球はやはり負担が大きい。女子高校球児たちを前に「肩痛い……」とも漏らした。実は「去年は147球を投げたけれど、148球目は無理な状態でした。翌日は肩が上がらなくなって、ずっと苦しみました」、「肩を壊したのは初めてで、今年これくらい投げられるようになったのは、8月中旬くらいから。当初は、今年は投げられないかもしれないと思いました」と明かした。
今年もまた翌日以降、右肩痛に悩まされることになるかもしれない。それでも「この試合は僕にとって毎年大きなモチベーションになる。(来年へ向けて)もうちょっと体を鍛えて頑張るよ」と笑った。
女子高校球児たちに「僕、相手ピッチャーとして物足りなくなかった?」と問いかけ、「打者として物足りなかったことは、わかっています」と、4打数無安打に終わった打撃に引っ掛けた“自虐ネタ”で空気を和ませたイチロー氏。第一線を退いたスーパースターは、献身的に女子高生たちと向かい合っていた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)