イチロー氏が女子高生への131球に込めた願い 「ちょうどいい感じでレベルが上がる」

「9番・投手」で先発したイチロー氏【写真:荒川祐史】
「9番・投手」で先発したイチロー氏【写真:荒川祐史】

女子高生に「僕、相手ピッチャーとして物足りなくなかった?」

 マリナーズで球団会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が率いる「イチロー選抜KOBE CHIBEN」と「高校野球女子選抜」の試合が3日、東京ドームで開催され、KOBEが7-1で圧勝。「9番・投手」として先発したイチロー氏は、9回131球2安打1失点で完投勝利を挙げた。ストレートの最速は134キロで、変化球を交えたが、そこには女子高校球児たちへの思いやりが詰まっていた。

 昨年12月、ほっともっとフィールド神戸で行われた高校野球女子選抜戦では、9回147球6安打完封を成し遂げた“イチロー投手”だが、この日は初回に早くも失点した。1死から2番の原田由真外野手(関志学園)を四球で歩かせ、続く森崎杏内野手(福知山成美)に右中間を破る先制適時三塁打を浴びたのだ。「びっくりしました。最初は真っすぐだけでいこうと思っていましたが、早い段階でそれは無理だとわかりました」と今年の女子選抜のレベルの高さに舌を巻いた。

 2回以降は、2死球をぶつけて、相手打者へ向かって帽子を取り深々と頭を下げるシーンこそあったが、1安打無失点の安定した内容。ストレートは最後までムラなく130キロそこそこをキープしており、ここにイチロー氏の狙いがあった。

 試合終了後、女子選手を前に、こう語りかけた。「本当は大輔(元侍ジャパンのエースで、この日CHIBENの遊撃手として出場した松坂大輔氏)から打ちたかったでしょ? でも、大輔が万全の体調で本気で150キロを投げたら、それはそれで違うのではないかと僕は思う。それを体験してみたい気持ちも、みんなにはあるだろうけれど、僕くらいの130キロちょっとを打つことで、ちょうどいい感じでレベルが上がりそうな気がする」

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