帰省中に球団から電話「とりあえず来てくれ」 ロッテ157キロ右腕・小野郁を変えた“人的補償”
ロッテ移籍後は3年連続で40試合登板、ゆくゆくは守護神へ
楽天のチームメートからは「頑張れよ」「一緒に1軍でプレーしよう」とメッセージをもらい、新天地へ。その期待に応えるように、移籍1年目の2020年からキャリアハイの40試合に登板し、プロ初勝利も挙げた。
今季は8月に新型コロナウイルスの影響で離脱もあったが、6回や、ビハインドの場面で計44試合に登板して18ホールド、防御率は1.99を記録した。7月には東條大樹投手の代役としてオールスターにも出場。地元のPayPayドームで行われた第1戦では、3者連続三振も奪うなど、“ロッテの小野”として存在感を見せている。
古巣相手に登板するときは、気持ちに変化もある。「特に打たれたくないですね。元々いたチームなので、変な姿は見せられない。1軍で頑張れって言われて送り出されたので、結果で表すしかないなと」。来季は、2021年の49試合登板を更新する50試合登板を目標に掲げる。
最速157キロの直球に加え、今オフはフォークにも磨きをかける。「今季は安定した投球ができなかった。ファンの方だったり、ベンチの監督、コーチに『小野が来たらもう大丈夫』って思ってもらえるようなピッチャーになりたい」。人的補償で移籍後、活躍していく選手は決して多くはないが、若き剛腕は、それをバネに羽ばたいている。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)