左打席で初安打から5年後にプロへ 楽天外野手を首位打者に導いた“私生活”での意識

練習試合のクリーンヒットまで1年 外角の対応に苦戦

 ただ、情熱はあっても、簡単には左打ちを習得できなかった。中学1年で本格的に左打者として練習を始め、練習試合で初めてクリーンヒットが出たのは中学2年生に学年が変わるタイミング。実に1年を要した。特に苦労したのは、外角への対応だった。左打者はスイングしてから自分の背中方向にある一塁へと走るため、やや逃げるようなスイングになってしまい、外角の球にバットが届きにくかったという。

「イチローさんに憧れていたこともあって、一塁に走る動きを入れたスイングになっていたので、走り打ちを若干抑えました。松井秀喜さん寄りの打ち方にしたイメージです」

 足が速かった鉄平氏は一塁までの距離が近い左打者の利点を生かすために早く一塁へ到達する意識は持ちながらも、スイングしてから走り出す打ち方に修正した結果、少しずつ外角の球にも対応できるようになった。さらに、素振りの際に投手の方向を見てスイングするだけではなく、三塁側に目線を移したスイングも取り入れ、自然と外角にバットが届く振り方を身に付けていった。

 左打者に転向してから次に直面した壁は、軟式から硬式への移行だった。中学まで軟式だった鉄平氏は、大分・津久見高から硬式でプレーした。球が硬くて重くなったことで「打撃の衝撃が全然違いました。スイングの形が保てませんでした」と打球が飛ばなくなった。

食事、歯磨き、睡眠、勉強…私生活で左手を強化

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