戦力外の山口俊は「過信していたのでは」 元同僚がエール「がむしゃらにやってみろ」
かつてバッテリーを組んだ元横浜・野口寿浩氏がエール
今オフ自由契約となりながら、8日の12球団合同トライアウトを受験しなかった選手の中にも、注目される存在はいる。巨人を自由契約となった山口俊投手はその筆頭格だろう。かつてNPB4球団で捕手として21年間活躍し、横浜(現DeNA)時代に山口とバッテリーを組んだこともある野球評論家・野口寿浩氏が、かつてのチームメートにエールを送る。
山口は2019年に巨人で15勝を挙げて最多勝に輝き、同年オフにポスティングシステムを利用してブルージェイズへ移籍。しかし、米国では期待されたような成績を残せず、昨年6月に古巣の巨人に復帰した。シーズン途中からの加入となった昨年は、先発で15試合に登板し2勝8敗、防御率3.56。今季1軍でわずか1試合の登板(2回無安打2四死球無失点)、ファームでも23試合1勝2敗3セーブ、防御率4.03にとどまり、チームを追われる形になった。この3年間で立場は激変してしまった。
「体調が大丈夫なら、という条件は付きますが、いいピッチャーであることは間違いない。“頭の中”を変えて臨めば、まだ活躍する可能性はあると思います。戦力外を通告された中では、一番注目している選手です」と野口氏は言う。野口氏が阪神から横浜へFA移籍した2009年、高卒4年目の山口は日の出の勢い。当初セットアッパー、5月からはクローザーに定着して51試合5勝4敗18セーブ、防御率3.27をマークし、ブレークを果たした。
「巨人やメジャーで経験を積み、自信を持ったのはいいことだけど、最近はひょっとすると過信になっていたのではないかと思われる節があります。横浜で下から這い上がってきた頃をもう1度思い出して、がむしゃらにやってみろと言いたいですね」と野口氏は願いを込めて話す。35歳となった山口だが、187センチ、98キロの“メジャーサイズ”の体にはまだ余力がありそう。本人も日本、海外に関わらずオファーを待っているといわれる。マウンドで輝きを取り戻すことができるだろうか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)