藤浪晋太郎はMLB移籍が「吉と出る可能性」 沢村賞右腕・遠藤一彦氏が指摘する復活のポイント

野球評論家の遠藤一彦氏【写真:荒川祐史】
野球評論家の遠藤一彦氏【写真:荒川祐史】

投手のスタミナは「投げないとつかない。投げないから怪我をする」

 遠藤氏の現役時代にもスピードガンはあったが、「私は140キロ前後。139キロから141、142キロくらい。それこそ体が疲れている時は135キロくらいでいったこともありました」と言う。「でも、反対にバッターのほうが『あれっ、今日の遠藤はボールが来てないな』って。チェンジアップみたいになっているわけじゃないですか。5キロ近く遅いわけですから。もう面白いくらいにポコンポコンって打ち上げてくれましたよ」と振り返った。

 もちろん、そのための努力、練習は惜しまなかった。「私はキャンプで2500球を目標にしていた。1日120球から150球は投げないといけないけれど、第1クールではそんなに放れませんからね。体がちょっと慣れてきて2クール目の休み前に、300球放るとかしていました」。投げ過ぎたとは思っていない。「試合で完投すると120球前後。それ以外に試合前のウオーミングアップとイニング間の球数があってとなると、やはり300球くらい投げるわけですから」。

 さらに、こう付け加えた。「それに耐えるだけのスタミナっていうのは、やはり投げないとつかないと私は思っています。投げないから怪我をするんじゃないですかね。それを鉄アレイやチューブを持ってやっても、あまり効果はないと……。古いのかもしれないですけど、そういう考え方です」。現役時代、数々の修羅場を乗り越えてきた遠藤氏。「スピードよりも、キャッチャーを信じてその組み立てにどう応えるか。キャッチャーは考えてリードをしますから。要求通り放れれば、たぶん8割は抑えられますよ」と言葉に力を込めた。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY