選抜当確…慶応高の“言葉の力” 清原勝児の満塁弾呼んだ「センター返しは恩返し」
「ありがとう」は最高の言葉…言っても言われても嫌な人はいない
リベンジよりチャレンジ! 言葉の響きもいい。
7回裏二死二、三塁のチャンスで、合言葉を体現するプレーがあった。ピッチャーからの二塁けん制がわずかに逸れると、それを見た三塁走者の加藤右悟が思い切りホームに突っ込み、リードを3点差に広げた。
好走塁の加藤が語る。「普段なら躊躇するところだったんですけど、試合前に、森林さんから『アウトになってもいいから、チャレンジしていこう!』と言われていて、思い切って走ることができました」。
準決勝の日大藤沢戦でよく聞こえてきたのが、「ありがとう!」だ。
はじめは、会話の中で自然に発しているのかと思ったが、多くの選手が口にしていたのを聞いて、「もしかして、意図的では?」と感じた。そこで、森林監督に確認してみると――。
「練習のときから、チームで大事にしています。『ありがとう』と言ってイヤな人はいないし、言われてイヤな人もいませんよね。『ありがとう』は最高の言葉。守ってくれてありがとう、整備してくれてありがとう。心の余裕がないと、試合中に『ありがとう』も言えないと思います」