巨人の来季4番は「スタートから岡本で」 球団OBが分析する成績ダウンの原因
「打てなくなると止まるんだよ、体が」
5年ぶりのBクラスに終わった巨人。打者では岡本和真が打率、本塁打、打点の3部門いずれも昨季より成績を落とし、8月11日の中日戦からは4番の座も明け渡し、結局シーズン最後までそのポジションを取り返せなかった。いったい主砲に何が起きたのか。巨人で2度の首位打者に輝いた篠塚和典氏は、ヤクルト村上宗隆内野手の存在を指摘。来季の4番問題などにも愛ある提言を行った。
岡本和への期待が大きいからこそ、篠塚氏は残念そうに振り返った。「4番を中田(翔)に打たせているようではダメでしょ。やっぱり、そこは生え抜きでやっていくというのが……。それだけ岡本がだらしなかったということだけどね」。今季の岡本和は打率.252、30本塁打、82打点でフィニッシュ。打率.265、39本塁打、113打点だった昨季の数字を下回った。この原因のひとつに、篠塚氏はヤクルト・村上宗隆内野手の名前を挙げた。
昨季の岡本和は本塁打、打点の2冠。本塁打王のタイトルは村上と分け合い、打点王には村上より1点上回って輝いた。そんなライバルだった村上が今季、大進化。王貞治氏を超え、日本選手シーズン最多の56本塁打をマークし、首位打者、打点王のタイトルも獲得し、令和初の3冠王となった。
「打てなくなると止まるんだよ、体が。手の動きが止まっちゃったり、タイミングの取り方がちょっと遅くなったりとかね。早くトップをつくって向かっていくという感覚じゃなくなっちゃうんだよね。ちょっと“間”がない。差し込まれたり、外のボール球を振ってしまう」。すべて悪循環だったというわけだ。
こうした指摘も、なんとしても岡本和には巻き返してほしいと願うからこそ。来季の4番についても「もちろん監督が考えるところだけど、スタートから岡本でやった方がいいと思う」ときっぱり言い切った。
技術面については「(岡本和)本人は何をやったらいいかわかっていると思う。コーチがどうこうと言わなくても、任せておけばいいと思う」とも述べる。このままで終わる男であるわけがない。岡本和への期待はやはり大きい。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)