苦渋の立浪監督「お前、変わらんかったな」 中日去る京田が受け取った“最後の親心”

DeNAへのトレードが発表された中日・京田陽太【写真:小西亮】
DeNAへのトレードが発表された中日・京田陽太【写真:小西亮】

昨季は初の2軍落ち、今季は試合中に名古屋に帰されたことも

 良くも悪くも自由な秋に、“予感”を抱いた。中日での6年目のシーズンを終え、秋季練習は全体練習に入らず調整を一任された。「フリーという話で。あるなぁという感じはありました」。頭をよぎるトレード。京田陽太内野手は、心の準備を整える。その瞬間は、すぐにやってきた。

 いつから歯車が狂ったのだろうか。低迷するチームを変えていく旗振り役になるはずだった。プロの世界に飛び込んだ2017年は、球団新人記録を塗り替える149安打を放って新人王を獲得。一気にレギュラーをつかんだ。翌2018年には全143試合に出場。負担の大きな遊撃手だからこそ「しっかり守る」「試合に出続ける」には誰よりもこだわってきた。

 打撃を疎かに考えたことはない。課題だった出塁率も改善していった。ただ、ルーキーイヤーの鮮やかな印象を、どうしても上書きできない。打率は2割5分を超えず、周囲から盛んに「打てない」と言われるように。プロ5年目の2021年には、初めて2軍降格を味わった。

 納得できない気持ちもわずかに湧いたが、すぐに自らを省みた。「これじゃダメだ」。2軍の打撃コーチに積極的に意見を求めながら、自分の感覚と照らし合わせていった。シーズン終盤の9月には月間打率.309を記録。「自分の中で手応えがあって、次の年が楽しみな部分もありました」。その時はまだ、最悪のシーズンが待ってるとは思いもしなかった。

試合中に強制送還…導き出した答え「僕の野球人生」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY