今夏の初Vに続き神宮大会も…仙台育英・須江監督が「絶対優勝したい」理由
9回5得点で逆転サヨナラ勝ち「東北の高校野球は今が伸び盛り」
秋の日本一を決める「第53回明治神宮野球大会」の高校の部で仙台育英(宮城)は19日、初戦で沖縄尚学と対戦し、0-4で迎えた9回に一挙5点を奪い、逆転サヨナラ勝ちを収めた。今夏に東北勢で春夏を通じ初の甲子園大会制覇を成し遂げた勢いは健在。今大会にも絶対優勝したい理由がある。
8回までは沖縄尚学の先発・東恩納蒼(ひがしおんな・あおい)投手(2年)に6安打無得点に抑えられていたが、9回の1イニングに5安打を集中。敵失も絡んで勝ち切った。須江航監督は「これまではずっと投手陣におんぶにだっこで勝ち上がってきましたが、野手の子たちの成長を感じました」と感慨深げ。大劣勢の中でも、相手の東恩納の投球数が8回終了時点で126球(最終的に145球)に上っていたことから、「尚学さんはブルペンで誰もつくっていませんでしたし、変化球が落ちなくなったり、ストレートがシュート回転して真ん中に入ってきたりするとは思っていました」と、冷静に反撃のきっかけをうかがっていた。
今大会の高校の部には、各地区の秋季大会で優勝した10校が参加している。仙台育英も東北大会を制した時点で、来春の選抜出場は決定的。一方、今大会で優勝したチームには「明治神宮大会枠」が与えられ、その分、所属地区の他の学校に選抜出場のチャンスが広がる。
だからこそ須江監督は「今夏以降、東北の高校野球は伸び盛りで、非常に意欲を感じています。練習試合を行っても、他校から『次は自分たちがやってやるぞ』という気持ちがうかがえる。(選抜で)東北の枠が1つ増えて、1校でも多く大きな舞台を経験できれば、きっと近いうちにどこかの学校がまた優勝できると思う。なんとか1枠を持って帰りたいと、心の底から思っています」と熱を込める。「0-4で9回を迎えた時には、東北の方々の顔が浮かびました。一丸で戦っている気持ちがあるので」と胸をなでおろした。