「辞めやすい雰囲気をつくる」 少年野球のカリスマ指導者が移籍を“歓迎”するワケ

若い頃は選手の移籍に自責…今はチームを“辞めやすい”雰囲気づくり

 今年でチームを立ち上げて34年目を迎える辻監督も、かつては選手が移籍する時は落ち込んでいた。指導法が間違っていると自分を責めた。ところが、2人の息子の子育てを経験し、子どもに対する考え方は人それぞれで、正解は1つではないと気付いた。

「今は、子どもたちが野球を続けるだけで十分。チームはどこでも良いと考えています。多賀でも選手を募集していますが、辞めやすい雰囲気をつくっています。まず一度、野球を気軽にやってみてほしいと思っています」

 辻監督は“出戻り”も歓迎している。これまでの最短では、3日でチームに復帰した選手がいるという。

「多賀ではスタメンに入れないと感じて一度はチームを離れましたが、多賀以上に知識や技術を吸収できるチームはないと言って戻ってきました。保護者が『少年野球はレギュラーにならないとダメ』という考え方から、『できるだけ多賀で吸収して上手くなっておく』と変わったためです。喜んで選手を再び受け入れました」

 メンバーが少ないチームにとって、選手の移籍は痛手かもしれない。だが、別のチームで野球を続けるのであれば、選手に野球の楽しさは伝わっているはず。最大の任務を果たした指導者は、決して悲観する必要はない。

少年野球指導の「今」を知りたい 指導者や保護者に役立つ情報は「First-Pitch」へ

 球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。

■「First-Pitch」のURLはこちら
https://first-pitch.jp/

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY