今夏Vの仙台育英が大阪桐蔭に惜敗 “西谷マニア”須江監督「届きそうで役者が違う」
1点届かず4-5…選抜でも優勝候補同士「次もこういうロースコアの試合に」
秋の学生野球日本一を決める「第53回明治神宮野球大会」は21日、高校の部準決勝を行い、第1試合では今夏の甲子園で東北勢初の優勝を果たした仙台育英(宮城)が、4-5で今春選抜覇者の大阪桐蔭に競り負けた。
仙台育英は初回と2回に1点ずつを奪って先行したが、3回に失点。1点リードの6回には、集中打で3点を奪われ逆転を許す。それでも3点を追う9回、3番・湯浅桜翼内野手(1年)の右前適時打、4番・齋藤陽外野手(2年)の中犠飛で1点差まで詰め寄った。0-4で迎えた9回に一挙5点を奪い、逆転サヨナラ勝ちした19日の沖縄尚学との2回戦の再現かとも思われたが、今回はあと一歩届かなかった。
試合後の須江航監督は「粘り強さを発揮できたことは収穫だが、不用意な失点もあった。そこが大阪桐蔭さんとのあと1枚“近そうで遠い差”だと思います」と振り返り、「勝って終わりたかったが、負けて終わった中では最高の負け方です。大阪桐蔭さんと公式戦の舞台で対戦できて、届きそうで役者が違うことを体感できた。こんな素敵な終わり方はない。春が楽しみです」とうなずいた。
仙台育英と大阪桐蔭は来春の選抜甲子園でも、優勝候補同士としてしのぎを削ることになりそう。須江監督は「西谷監督マニアの僕から見れば、現時点では選手に好きにさせている感じ。おそらく選抜では、もう少し細かい指示をされてくる。まだまだ引き出しがたくさんある。そこらへんにまだ差がある」と相手に敬意を表しつつ、「次もこういうロースコアの試合に持ち込みたいというのが、僕らのプランです。10-9のような試合では、絶対勝てませんから」と語っていた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)