杉谷拳士「社長になります」 芸能界オファー殺到も…ワンルームから始める“前進”人生

今季限りで現役引退した杉谷拳士氏【写真:荒川祐史】
今季限りで現役引退した杉谷拳士氏【写真:荒川祐史】

帝京高先輩、とんねるず・石橋貴明さんの“1位指名”を辞退

「右も左も分からない日本人が1人でグラウンドに。言葉も分からない状態でした。ただ、現地の日本人の方々が『日本人選手がいるらしいよ』『じゃあ野球を見に行こうか』と見に来てくれたんです。オーストラリアでは他競技が人気なんですが、『野球おもしろかったよ、ケニー(杉谷の愛称)』と。そこからどんどんコミュニティが広がって、最後は日本人でスタンドがいっぱいになったんです。それが僕の中ですごく嬉しくて」

「滞在期間中はいろんな方々に協力してもらいました。その手助けがあったからこそ、こうやって野球ができているんだなと。いつか恩返ししたいという思いが、そこで出てきました。スポーツがビジネスとしても成長していくために働きかけたり、環境を整えたり。スポーツを通して恩返しをしたい気持ちがあります」

 帝京高の大先輩で、YouTube上で「ドラフト1位」と公言したとんねるず・石橋貴明さんには、すでに指名を“辞退”。「野球、スポーツに恩返しできる環境を作り、地域の方々と連携をとりながら活動していきたい」と誓ったという。今後もテレビ番組に出演していくが、野球界とスポーツ界の発展を念頭に置く。2023年の明確な行動指針もできている。

「バラエティ番組にもたくさん出たいですし、さまざまなスポーツに携わる方と対談をさせていただきたいと思っています。何より1年間をかけて、いろんなスポーツを。アメリカだったら四大スポーツ。肌で感じて勉強したいと思ったので、その1年にしようと思います」

「日本の机で勉強する。確かにいろんなことができると思いますけど、やっぱり違うじゃないですか? アメリカの野球はデータ、戦術が変わってきている。果たしてドライブライン(大谷翔平ら多くのメジャーリーガーが通うシアトルの野球施設)が全てなのか。あらゆる引き出しを増やしていければと思います」

 北海道と東京の2か所を拠点とする。「東京の家はワンルーム。もう寝るだけの部屋って感じです。日本、世界中を飛び回ってやろうと思います」。野球、スポーツに携わる全ての人たちを笑顔にするために。新米社長として前へ前へと進んでいく。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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