「脇谷さんから電話を何回も」 国学院大の巨人ドラ3田中、緊張ほぐすスカウトの助言
巨人から3位指名を受けた国学院大の田中千晴が6回途中2安打2失点の好投
「第53回明治神宮野球大会」は22日、神宮球場で大学の部準決勝が行われ、第1試合は国学院大が6-2で大商大を下し初の決勝進出を果たした。巨人からドラフト3位指名を受けた田中千晴投手が6回途中2安打2失点。好投の裏には脇谷亮太スカウトからの“助言”があった。
最速147キロの直球とフォークを武器に大商大打線を封じた。5回までノーヒットノーランの快投を見せていたが、6回は1死から代打・犬飼慶樹外野手(4年)に右前打を浴びるなど2死満塁のピンチを背負った。4番・河西威飛内野手(2年)に右前2点適時打を浴び降板となったが、堂々の投球でチームを勝利に導いた。
田中は今大会初登板だったが「結構プレッシャーを感じるのかと思ったのですが、脇谷さんから電話を何回も頂いて(気持ちを)柔らかくしてもらった」と、担当の脇谷亮太スカウトから19日の夜に連絡があったこと明かした。
巨人から上位指名され、注目を浴びるマウンド。チームも初の決勝進出がかかる大事な1戦だったが、脇谷スカウトからは「勝っても負けてもドラフトの順位は変わらないから」と伝えられたという。これには田中も「間違いないなと(笑)。投げやすかったです」。緊張感から解き放たれたことで快投が生まれた。
エース右腕の安定した投球に鳥山泰孝監督も「絶好調じゃないですが、自分とも対話し落ち着いて気持ちをしっかり入れて投げてくれた」と賛辞を送ると、2番手で好リリーフを見せた坂口翔颯投手(2年)も「真っすぐの強さは自分が求めるところ。憧れであり抜きたい存在」と語った。
神宮大会初優勝に向け残り1勝。田中は「本当に投手も野手も良い選手しかいない。絶対に日本一を取れると思っている。チーム全員で勝ちたい」と、悲願の日本一を見据えていた。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)