2軍生活の悲哀を思いに…巨人で歌い継がれた伝説ソング 作詞者は18歳だったV9戦士

最後の8番では激しいサバイバルを綴った

 柴田氏の寮生活は球団ルールの3年間より1年短く終了。鬼の寮長も度胸満点で向かってくる若者が頼もしかったはず。柴田氏は「卒業じゃないです。もう出ていけと言われました」と照れているが……。

 2軍の悲哀が詰まった「多摩川ブルース」は歌い継がれた。「巨人の星」では曲名や歌詞こそ微妙に変わっているものの、架空の登場人物が柴田氏が作ったと説明する場面がある。「それは知らなかった。川上哲治監督、長嶋茂雄さん、王貞治さん、僕らも描かれていると聞いたことはありますけど」と驚く。

「一年二年は夢の内 だんだん消えてく同期生 今年は俺もあぶないと 夜も眠れぬオフシーズン 夜も眠れぬオフシーズン」。最後の8番だ。

 ドラフト会議も終わり、補強やトレード、戦力外通告など来季に向けた編成が進む時期。「僕が入った頃の巨人はチーム全体で平均の在籍年数が3年3か月でした。プロは厳しいというより毎年選手が入れ替わるから。10人を獲れば10人がクビになっていかなくちゃいけない世界」と柴田氏。現在の各球団の寮について「キレイですよね。僕らとは天と地ですよ」と笑うが、時代や練習環境が変わってもサバイバルだけは変わらない。

(Full-Count編集部)

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