メジャーの“青田買い”の裏にある悲劇 大金夢見る少年たちを陥れる禁止薬物の闇
野球に専念するため中学校に行かない子どもたちも多い
国際選手は16歳からプロ契約が可能だが、次世代の最高のタレントを確保する為に、球団はより若い選手と“口約束”で入団を取り付ける。そのため腐敗と薬物の使用を生む「凶暴な市場が形成される」と記事は指摘。こうした選手は契約した後も「どんな犠牲を払っても他の選手を上回ろうとする精神は継続する」とメナ氏は語る。
「2000万ドルを手にした選手がいるから、自分はリスクを冒したいという気持ちになる。自分も2000万ドルが欲しいとなる。お金を求める文化があるため、彼らはリスクを冒す」とメナ氏は分析する。
世界銀行によると、ドミニカ共和国の1人当たりの国民総所得は昨年、8200ドル(約114万円)だった。少額の契約金でも、ドミニカ共和国で暮らす家族にとっては人生を変える出来事になり得る。野球のトレーニングに専念する為に、中学校に行かない子どもたちも多いという。
メヒアは「誰もが薬局で禁止薬物を買える状況だ」とし、こういった環境のため親やトレーナーが死に物狂いになると言及した。ドミニカ共和国スポーツ医学連盟のミルトン・ピネド氏は「トレーナーや選手の両親は、禁止薬物を使用することが貧困の出口になると思っている」と述べている。禁止薬物の“闇”はドミニカ共和国に深く浸透しているようだ。
(Full-Count編集部)