会社激怒のドラフト指名「どうするんやお前」 3位なのになぜか“ドラ1以上の契約金”
阪急スカウトに「ドラ1評価なら考えます」…契約金は1、2位超える5000万円
とっさに「ドラフトだって5位か6位くらいだろうし、どうせなら大ボラを吹くかってと思った」。そこでポロッと出た言葉が「そうですね。ドラフト1位の評価で年俸とか契約金とかをくれるっていうのなら考えますわ」。ところが山本スカウトは屈しなかった。それどころか「よし、わかった」と言って帰ったのだ。そしてドラフト4日前くらいに「3位で指名するから頼むぞ」との連絡が来た。
それでも半信半疑。実際に3位で指名された時は本当に驚いた。会社も「どうするんや、お前」とざわついた。「いやあ、条件とかはっきり聞いてないし、行かないと思いますよ」と話していたが、阪急側と直接会って話を聞くと、さらに耳を疑った。「1位の山沖(之彦投手=専大)の契約金が4000万円、2位の太田(敏之投手=仙台鉄道管理局)が3500万円くらいやったと思う。で、僕が3位で5000万円だったんです」。
まさに1位クラスの評価。「会社からは怒られ、円満退社にはならなかったけど、もう行くしかないと決めた」。だから期待されていると思ったのに……。南牟礼氏は今でも悔しそうに話したが、実は、そもそも阪急スカウトに目を付けられたのも奇跡みたいな部分があったという。不安は体調面。「医者からは、このままでは死ぬよって言われたんです……」。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)