打球直撃した指導者が「やられた〜」 子どもの“気持ちを乗せる”米国式の距離感

野球初心者の練習にお勧め 2色のボール使ったティー打撃

 例えば、ティー打撃では色が違うプラスチックボール(シャトル)を2つ使う。2つ一緒にトスしたと同時に、どちらかの色を指定して、その色の球だけを選手は打つ。練習が単調にならないようにしながら、バットコントロールを磨く目的がある。新谷さんは「野球を始めたばかりの子どもは、同じ場所ばかりスイングする傾向があります。2つの球を使うと、自然にバットを操作しようとします」と狙いを説明する。

 そして、プラスチックボールをトスする新谷さんは、選手の打球が直撃すると、「やられた~」と言わんばかりに、ヒーローに倒された悪者のように悲鳴を上げて地面に転がる。子どもたちは大喜びで、再びバットの芯に当てようと集中する。

 その他にも、飽きてしまいがちな走るメニューはリレー形式、守備練習では失策した選手から抜けていくサバイバル形式で競わせるなど、ゲーム感覚で楽しみながら上手くなる工夫を凝らしている。

「その日の練習で、1つでも2つでも野球の楽しさや上手くなるきっかけをつかんでもらいたいと思っています。子どもたちを喜ばせるのが指導者の役割だと考えています」。野球が上手くなりたい、野球が楽しいと思う子どもたちに日米の違いはない。

○新谷信明(しんや・のぶあき)1968年4月26日生まれ。北海道釧路市出身。小学4年生で地元の野球チームに入り、釧路江南高で硬式野球部、北海道教育大は準硬式野球部。24歳で渡米し、現地で幼稚園の先生をしながら少年野球に携わる。2007年から米国でアカデミーを開講。

(Full-Count編集部)

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