「勝てない投手の特色だよね」 西武渡辺GMが分析、隅田が1勝10敗だった理由

“大量失点はしないが先に取られる”弊害

 先発した試合では大きく乱れることがなく、2、3失点に抑えることが多かったが、味方打線の援護に恵まれない試合もあった。ただ、渡辺GMはこう指摘する。「確かに援護点は少なかったかもしれないが、援護してもらう前に、先に点を取られている試合がほとんどです。それって、勝てない投手の特色だよね、という話ですよ。先に点を取られるから、追いかける方は攻め手を欠き、なかなか追いつけない。試合を壊すようなことはなく2、3点には抑えるけれど、(勝てないのは)そういうところですよね」。将来のエースとなりうる素材と見込んでいるからこそ、苦言も呈するのだ。

 大量失点はしないが、相手に2、3点先行されると、味方打線は送りバントやエンドランといった小技を繰り出しにくくなり、攻撃が限定的になる。「味方が点を取ってくれるまで我慢して抑えていれば、今年の成績もガラっと変わっていたのではないか」と渡辺GMは見ている。

 隅田は「まず規定投球回数をしっかりクリアしたい。そのために、1年間投げ抜ける強い体をつくりたいです」と、オフの精進を誓った。2桁勝利で新人王──とはいかなかったが、昇給査定を糧に、来季は貯金と借金を逆転してみせる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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