今季終戦の痛恨ゲッツー「大丈夫ですか?」 傷心のDeNA40歳を救った大田泰示の電話
10年ぶり復帰の今季は代打で存在感、現状維持1800万円で現役続行
DeNAの藤田一也内野手は30日、横浜市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、現状維持の年俸1800万円でサインした。40歳のベテランが来季、プロ19年目のシーズンに立ち向かう。(金額は推定)
来季は内野にトレードで中日から京田陽太内野手が加入する。定位置はもちろん、1軍争いも激しさを増す。「競争がないとチーム力は上がっていかない。京田選手がベイスターズに来てくれることは、チームにとってプラス。切磋琢磨してレギュラー争いをしていけば、もう1つ上(優勝)を狙える」と前向きにとらえている。
昨季限りで楽天を戦力外となり、10年ぶりにベイスターズに復帰した。2軍調整が長かったが、9月28日に1軍昇格。代打として存在感を発揮し、三浦大輔監督を「若返って1軍に戻ってきた」と驚かせた。1軍では33試合、打率.250(36打数9安打)、0本塁打5打点だった。
阪神とのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第1戦では「6番・三塁」でスタメン出場。さらに1勝1敗で迎えた第3戦では1点ビハインドの9回1死満塁、一打逆転サヨナラの場面で代打で起用されたが、ニゴロ併殺打に倒れた。40歳の一塁ヘッドスライディングも及ばず、ゲームセット後はうつ伏せのまま、しばらく動けなかった。
「あの場面で使っていただき、声援を受けた時には鳥肌が立ったが、最悪の形になって、自分もいろいろ考えるところがあった」と言うが、「チームメートの言葉、いろんな方からの連絡に励まされ、グラウンドでの悔しい思いはグラウンドでしか返せないと思うようになった」と明かす。特に「家に帰った後、(代打要員の1人としてベンチに残っていた大田)泰示が『大丈夫ですか?』と連絡をくれて、励みになった」とも。「ベイスターズで優勝するまでは引退したくない」と思いを新たにしている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)