今の巨人は「過渡期」「底にいる」 原監督の“元参謀”が一刀両断…来季浮上の条件は

巨人・原辰徳監督【写真:荒川祐史】
巨人・原辰徳監督【写真:荒川祐史】

2012年の日本一のシーズンとの決定的な差は投手陣

 4位に終わった巨人の今シーズンは一体、何が足りなかったのか。V逸直後から、秋季キャンプなど来季に向けて動き出しているが、ヘッドコーチ、2軍監督、スカウト部長などを歴任し、原辰徳監督をよく知る球団OBの岡崎郁氏に今季の巨人を振り返ると共に来季以降の展望を語ってもらった。自身のYouTubeチャンネルでも他では見ることができない原監督の濃いインタビューをシーズン中から行うなど、指揮官の考え方を理解する岡崎氏だからこそ、見えてきたものとは……?

 岡崎氏は今シーズンを「4位というよりも優勝できなかったことが全て」と一刀両断。「今はどうかわかりませんが、巨人にとって2位も6位も一緒。優勝か優勝以外かの分け方しかしない伝統がありました。もっと言えば日本一になるか、ならないか。そのこだわりは、ずっと持っていて欲しい」。まずは後輩選手に姿勢を問い掛ける。

 序盤は若手の働きが目立ち、好スタートを切った。ルーキー・赤星優志投手が先発ローテーションに入り、抑えにもドラフト1位の大勢を抜てき。4月終了時に山崎伊織ら全て20代前半の6投手がプロ初勝利を記録した。「新しい選手が多かった。それは、いかにチーム力として安定していないかということ。今までに年間で野球やったことのない選手なので、絶対へばります。大勢は最後まで頑張った方です」と指摘する。

 岡崎氏は12年に原辰徳監督の下でヘッドコーチとして日本一を支えるなど、指揮官の素顔を最も知る人物。自身のYouTubeチャンネル「アスリートアカデミア」でシーズンを通してインタビューを行った。「そのままいくとは監督自身思っていませんでしたし、思っていたらおかしい」。その心は「シーズンはゴールだけ」と説く。

 シーズンは前半、中盤、後半がある。「4~5月は準備期間。監督も自分のチームの選手の力を見極めている時期。中盤から少し順位を考え、最後8、9月に第3コーナーを回って鞭を入れる。そこまでに見極めて調整して、良い状態に持っていくのが首脳陣の仕事」。今年も山口俊、井納翔一らベテランが待機していたはず。「若い力が落ちてきた時期に、出て来なければいけない人が出て来なかったということ」を敗因に挙げる。

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