大量得点で攻撃終了、盗塁数に制限…米国の少年野球に“ローカルルール”があるワケ

「10点差でも同じ態度」 指導者に求めるのは冷静さ

 新谷さんは、こう話す。「勝利は選手のモチベーションになるので、勝敗にはこだわります。自分たちの課題や現状を知るために、勝ち負けをつけるのは必要です。ただ、一方的な試合は緊張感がなくなり、選手の成長につながりません」。

 試合のルールに加えて、新谷さんは指導者の立ち振る舞いも選手の成長に重要な要素になると考えている。新谷さんが統括する野球チームは、11歳以下、13歳以下、17歳以下と3つのカテゴリーがあるが、全てのチームに関わる指導者に「10点差がついても同じ態度」を求めている。

「選手や保護者が熱くなっても、指導者は常に冷静でいる必要があります。感情を爆発させると選手のプレーや考え方に影響します。10点負けていても集中して試合に臨み、10点勝っていても相手チームに配慮してプレーする雰囲気を指導者がつくる必要があります」

 勝利を目指すのは少年野球の目的の一つであって、全てではない。米国では、柔軟なルールづくりと指導者のサポートが子どもたちの成長を支えている。

(First-Pitch編集部)

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