今までの長野久義ならば「いらない」 巨人復帰を歓迎も…望む“荒々しい”姿
元巨人でヘッドコーチ、2軍監督を務めた岡崎郁氏が知る素顔
巨人に長野久義外野手が戻ってきた。FA移籍した丸佳浩外野手の人的補償で広島に移り、今回無償トレードで5年ぶりの古巣となる。巨人でヘッドコーチなどを務め、長野を入団時から知る岡崎郁氏に長野に対する想いを聞いた。
「今までの長野が『帰ってきました』では面白くも何ともない。サラーッといい人で終わって欲しくない。いい人はいらない。いい人、多いんだから。何か違う一面も見たい」。
岡崎氏は原辰徳監督の下、1軍ヘッドコーチを務めていた12年に日本一。長野は当時、最多安打のタイトルを獲得した主力メンバーだった。信頼関係が深い間柄ゆえの愛情表現で注文を出した。
「いい人」は長野の代名詞。他球団のドラフト指名を2度断り、“巨人愛”を貫いて入団。首位打者に輝くなどの実績は言うまでもなく、さり気ない気遣いとひょうひょうとしたユーモアあふれる言葉でチームをまとめた。広島でも人柄は変わることなく、選手はもちろん球団関係者、ファンを魅了し続けた。岡崎氏も「長野って最初からナイスガイ、いい人なんですよ。気持ち悪いぐらい(笑)。彼の悪口を言う人はいない」と認める。
それと同時に長野の素顔も知り尽くしている。「根は物凄く気が短い。結構、気性が荒いんですよ。それが自分でわかっているから己をコントロールして野球をしてきたと感じる。言い方が悪いが、いい人ぶってる(笑)。大人なんです。日本の文化として、この野郎と思っても抑えるのが大人でしょ」。
人は誰しも年齢を重ねる。長野は今季プロ13年で最少の58試合出場にとどまり、12月に38歳。選手生命の終盤を迎えていることは間違いない。「力があった頃のパフォーマンスはなかなか出せないと思う。来年ダメなら再来年はない覚悟でしょう。あえて地を出してやってもらいたい。後輩の面倒を見て、いい人じゃなくて。一プレーヤーとして自分を包み隠さず、生き様、あがきみたいなものを出してチームに貢献して欲しい」。