西武平良、2度目交渉で“先発転向”勝ち取る 球団折れる「来年からやらせていただける」
不動のセットアッパー…先発転向の是非で決裂、2度目の契約交渉
西武の平良海馬投手は4日、埼玉・所沢市内の球団事務所で2度目の契約更改交渉に臨み、今季から7000万円増となる年俸1億7000万円(金額は推定)でサインした。2日に行った1度目の交渉では、現在の中継ぎから先発への転向を強く希望し、来季も中継ぎを予定する球団側と交渉が決裂。それがこの日の交渉では球団側が折れ「来年から先発をやらせていただけることになりました」と笑顔で話した。
提示された年俸は前回交渉と同額で、純粋に先発転向の可否だけが争点となった模様だ。「素直に自分の意見を発信して、話し合いができてよかった」と平良。「失敗するかもしれないし、大成功するかもしれないが、やるからには中継ぎの時より、チームに貢献できるように、先発として頑張っていきたい」と意気込みを語った。
渡辺久信ゼネラルマネジャー(GM)からは「(先発配転は)難しい判断だったが、先発になるからには頑張ってくれ」と伝えられたという。
平良は2018年の西武入り後、3年目の2020年にリーグトップの54試合に登板し、33ホールドを残してパ新人王。2021年は抑えも務め、62試合で3勝4敗20セーブ、21ホールド。今季もリーグトップの61試合登板で1勝3敗9セーブ、34ホールド。初の最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。通算の1軍登板203試合は全てリリーフだ。
1度目の交渉後、渡辺久信GMは「妥協案として、来年は後ろ(リリーフ)でやってもらって、再来年は希望通り先発をやらせる。チームはそれまでに後ろを整えるから──という話をしている」と明かしたが、平良は「僕は2019年のオフから『先発をやりたい』と言っていて、(チーム事情で)『やらせられない』と3年間言われてきた。さすがに4年目は、中継ぎではやれない」と語り、“これ以上は待てない”との考えを強調していた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)