日本シリーズ“大躍動”で800万円増は「安すぎる」 SNSでは不満噴出も…難しい査定基準
最高年俸は2015年の6000万円、翌年は減額制限を超える4500万円ダウンを受け入れる
だが、翌年の2015年には8月に右肩を手術し、オフには減額制限を超える提示を受け入れ4500万円減の1500万円でサイン。わずか1年で“天国から地獄”を経験すると、その後は2016年が16試合、2017年は8試合と登板機会が激減。それでも2018年には43試合と復活を果たすと、ここまで年平均30試合に登板している。
中継ぎ投手は成績が数字に表れにくく、登板がなくとも毎試合ブルペンで投げることもあり、過酷な持ち場の割には報われないポジションだ。シーズン40~50試合を一定の年数を続けて、初めて高い評価を受ける投手が多い。
だからこそ、球団の言い分も分からなくはない。交渉の席についた久保充広球団本部管理部長は「比嘉選手が担ったポジションはホールド、セーブと具体的にあがるものではないが、そこを加味してポイント評価させてもらっている。決して過小評価したわけじゃない」と、積み上げてきた功績を称えている。
来シーズンは40歳を迎える大ベテランに、期待値を込めた若手と同じ査定は難しい。それでも「もう少し評価してほしい」と、誰もが思うのは比嘉の人間性を知ってるいるからこそ。2015年オフに減額制限を超える提示を受けた際も「契約してもらって感謝している」と口にし、自身の起用法にも不満は一切言わず、黙々と投げつづける姿をファンは見ている。
この日の会見では「もうちょっと評価してください」と、球団に伝えたことを明かしていたが、保留することなく一発サイン。年齢的にも、現役生活はそう長くないが「来季こそ」を期待してしまう。1年間フル回転し、リーグ3連覇、連続日本一に貢献――。契約更改で大幅増を手にした「比嘉さん」のトレンド入りを見てみたい。(金額は全て推定)
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)