アマ球界からメジャー指導者に…高まる“門戸開放”の波 「深い懐」の根底にあるもの【マイ・メジャー・ノート】第11回
来季投手コーチにトレーニング施設のディレクターを招聘したエンゼルス
過日、友人からのLINEに「メジャーは懐が深いね」の文字が浮かんだ。
大谷翔平選手が所属するエンゼルスが刷新した来季のコーチ陣に、トレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」のディレクターが加入したという情報に反応した彼の言葉が、次々と想念を誘発した――。【木崎英夫】
“懐の実相”へ思索の始まりは、冷たい秋の空気に包まれたネバダ州の砂漠地ラスベガス。
エンゼルス球団が、来季のコーチ陣を発表したのは11月7日のことだった。翌日からのゼネラルマネジャー(GM)会議を前に、会場となるラスベガスの高級ホテルの一室で、ペリー・ミナシアンGMは刷新人事に触れ「大いに期待している」と笑みを浮かべた。
新たな顔ぶれでビル・ヘイゼル投手コーチ補佐は異色の経歴を持つ。最新機器を使った動作解析で得たデータを基に開発したトレーニング法で、近年躍進を遂げるシアトル郊外の「ドライブライン・ベースボール」から招聘された同氏の原点はカレッジである。同トレーニング施設では理想的な投球フォームの研究と指導に没頭。メジャーで活躍する何人もの投手たちを飛躍につなげている。また、今季ワールドシリーズに駒を進めたフィリーズでのアドバイザー職も来歴に刻んでいる。