目に見える“弱点克服”…漂う覚醒の予感 ロッテ大砲に足りない最後のピース

投球コースの面でも、ウイークポイントが大きく改善

 最後に、2020年以降のコース別打率を見る。

 2020年までは得意・不得意がはっきりと分かれており、特にストライクゾーン内の高めと外角の球を総じて苦手にしていた。しかし、2022年はゾーン内では内角低め以外の8つ全てで打率.240以上と、弱点は確実に少なくなっていることがわかる。

 それでいて、真ん中低めの球を得意とする傾向は一貫しており、2021年にいったんは下がったど真ん中への打率も、2022年は再び向上。高めのボールゾーンの球を強引にヒットにする「悪球打ち」も含め、失投を逃さない点は大きな強みだ。あとは、3年間を通じて苦手としている内角低めに対応できるようになれば、より打者としての完成度も高まってくる。また、三塁の守備でも、終盤戦で守備固めを出されるケースが皆無となるなど、確かな成長を見せていた。

 外れ1位ながら3球団が競合した2017年のドラフトから5年。将来を嘱望される俊英は、苦悩を経ながら少しずつステップを踏み、いよいよ覚醒の兆しを見せている。この流れのまま来季は開幕から猛打を見せ、4番の座を不動のものとできるか。今季の終盤戦で見せた打撃を継続できれば、期待に応えるだけの可能性は十二分にある。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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