384億円男の加入で定位置剥奪か… 禁止薬物使用スター内野手の“やる気”は大丈夫?
2021年は左翼起用も…「明らかにやる気がなくスランプに陥った」
ダルビッシュ有投手の所属するパドレスは、レッドソックスからFAとなっていたザンダー・ボガーツ内野手を11年2億8000万ドル(約383億7200万円)で獲得した。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」はこの補強によるポジションシャッフルを予想。フェルナンド・タティスJr.が外野にコンバートとなる可能性をあげ、“やる気”面での懸念を示している。
「マニー・マチャドは2023年シーズン後にオプトアウトを行使する可能性が増々高くなっているようで、再び3億ドル(約409億7000万円)の契約を狙う可能性も。また球界で最も完成度の高い24歳のフアン・ソトとの契約延長は望みが薄い可能性があることもパドレスは理解している」と同メディアは流出の可能性を指摘。それだけにボガーツの獲得は合理的にみえる。
ニューヨーク紙「ニューヨーク・タイムズ」は「フェルナンド・タティスJr.の崩壊」との見出しの記事を掲載。欠点は守備力で、2019年に18失策を記録し、そのうち14個は送球エラーと統計的にはメジャーワーストの遊撃手だった。「スタットキャスト」が算出するOAA(どのくらいアウトを奪えたかの指標)によると、遊撃手35人中33位に沈んでいる。
パドレスは2020年に球界屈指の内野手守備コーチと評判の高いボビー・ディッカーソン氏をタティスJr.の為に招聘。「タティスJr.は守備ドリルにイラついた。その瞬間、ディッカーソン氏は『私は辛抱強く君のことを見ていく。でもまずは自分が辛抱強くてはならない』とタティスJr.に伝えた」という二人三脚の練習が実を結び、守備力は改善の兆しを見せた。
しかし2021年には4回も肩を脱臼。そのためチームはリスクの低い外野で起用したが「明らかにやる気がなく、チームと共にスランプに陥った。8月は打率.228に終わった」とモチベーションに問題が生じたようだ。
強打の遊撃手として2013年、2018年のワールドシリーズ制覇に貢献したボガーツ。オールスター戦に4度選出、シルバースラッガー賞5度を誇り、今季は150試合出場で打率.307、15本塁打、73打点、8盗塁をマークしている。タティスJr.は2021年の開幕前に14年3億4000万ドル(約464億円)で契約延長も、今年8月に、MLBの共同薬物防止・治療プログラムに違反するパフォーマンス向上薬であるクロステボルの検査で陽性反応を示し、無給での80試合出場停止処分を受けた。処分が明ける来季、“強敵”の加入で自らの価値をどのように示していくのだろうか。
(Full-Count編集部)