ヤ軍の95億円男をこき下ろすNY紙「無謀な賭けだった」 なぜ4年で9勝の同僚は称賛?

ヤンキースのアーロン・ヒックス【写真:Getty Images】
ヤンキースのアーロン・ヒックス【写真:Getty Images】

2019年オフに長期契約延長したセベリーノとヒックスへの評価が極端すぎる

 ヤンキースと同時期に契約延長をした2選手に対し、地元ニューヨーク・ポスト紙の評価が両極端に分かれている。2019年オフに4年4000万ドル(約54億円)の契約を結んだルイス・セベリーノ投手は、4年でわずか9勝ながら「契約延長の決断は賢明」と絶賛。一方で7年7000万ドル(約95億円)のアーロン・ヒックス外野手に対しては「もはや打線に入れられるような選手ではない」とこき下ろしている。

 2018年に19勝を挙げたセベリーノとは「球団と選手の双方にとって理にかなう延長契約だった」と強調。その後、2019年の開幕前に肩と広背筋を痛め、2020年はトミー・ジョン手術で棒に振ったが「契約延長の決断は賢明なものだった。セベリーノが健康な時はどれだけインパクトのある投手か、誰も否定できない。持っている才能、姿勢、そしてマウンド上での存在感など、球界屈指の才能であることを証明している」と力説している。

 2021年までの3年間で2勝どまりだったが、ようやく今季に復活。19試合で7勝3敗。防御率3.18をマークした。来季の契約は球団側に選択権があったが「彼が見せた復活する姿、そして彼の28歳という年齢を考慮すると、2023年のオプションをヤンキースが行使するのは、頭を悩ます必要がないことだった」とも。この4年でたった9勝でも「まだまだ多くの力を残しているし、オールスター級の選手だと見なされることにもなり得る」と期待を惜しまない。

 反面、ヒックスに対しては手厳しい。2018年は137試合で27本塁打79打点を記録したものの、契約を延長した2019年からは出場数が極端に減少。2021年には32試合で4本塁打14打点にとどまった。セイバーメトリクスの観点から選手の総合的な貢献度を示す「WAR」では、2018年が4.3だったのに対し、2019年以降はトータルで3.2しかないと触れている。

 腰や肘、手首など相次ぐ故障に見舞われ、気付けば33歳。今季こそ130試合に出場したが、打率.216、8本塁打40打点と物足りない数字に。「熱意を持ちすぎていた。(2015年まで在籍した)ツインズ時代から怪我がちだったことを知っておきながら、幾分無謀な賭けだった」と述べている。

「ヒックスはナイスガイで、もちろんわざとヤンキースに妨害行為を働いているわけではない」とかばいはするものの、動かしがたい事実を直視。「彼がここまでしてきたことが引き金となり、ヤンキースとしては、打者に対してこれ以上贅沢な複数年契約を与えたくないという状況になっている」と最後まで辛辣だった。

(Full-Count編集部)

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