11年410億円も…超大型契約が相次ぐ理由 総額インフレ状態も「年齢は数字に過ぎない」

メッツ入りが決まったジャスティン・バーランダー(左)とヤンキース残留が報じられたアーロン・ジャッジ【写真:ロイター】
メッツ入りが決まったジャスティン・バーランダー(左)とヤンキース残留が報じられたアーロン・ジャッジ【写真:ロイター】

エプラーGM、CY賞右腕は「申し分ないプロフェッショナル」

 今冬のMLBのウインターミーティングは、大型契約の締結が相次いだ。ニューヨーク紙「ニューヨーク・タイムズ」のスコット・ミラー記者は、「MLBで年齢は数字に過ぎない」として、中堅からベテラン選手に対しても“散財”が続いた理由を説明した。

 メッツは、来年2月に40歳を迎えるジャスティン・バーランダーと2年8600万ドル(約117億4000万円)で合意。ヤンキースはアーロン・ジャッジを9年総額3億6000万ドル(約493億5000万円)で残留させ、パドレスはザンダー・ボガーツを11年2億8000万ドル(約383億7200万円)で獲得した。

 ボガーツの契約は30歳以降としては最長となり、41歳まで契約が続く。11年総額3億ドル(約410億2300万円)でフィリーズ入りするトレイ・ターナーは、契約満了時に40歳、同じくジャッジとジェイコブ・デグロムは39歳、ウィルソン・コントレラスは35歳を迎える。

 スター選手に高額の長期契約を結ぶ理由を、同記者は「チームが支払いを長期にわたり分散できることにある」と説明する。つまり、ぜいたく税の額決定において重要な要素となる選手の平均年俸を下げることができるのだ。「例えば、フィリーズはターナーについて、30代後半には今と同じような選手であることを予想していないかもしれない。しかしターナーへの年平均の支払いは抑えることができているため、年俸総額がぜいたく税の対象ライン以下となり、他の選手を補強しやすくなる」。

 また、トレーニング技術や栄養管理の進化により、選手の全盛期を少し伸ばせることも理由にあげられる。今季サイ・ヤング賞のバーランダーについて、ビリー・エプラーGMは「彼は体調をしっかりと管理できる上に、トレーニング方法も熟知している申し分のないプロフェッショナルだ。年齢も年齢だが、彼の身体の構造や機能の仕方は他の選手と少し違う」と語った。

 コミッショナーのロブ・マンフレッド氏は、FA市場について「資金力が豊富な球団や各球団の選択によって、この状況が生み出されている」と話す。年齢が進んでも大型契約が乱発するのには“メリット”がある。

(Full-Count編集部)

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