島根から東海大相模に進学した笹田海風 夏の悔しさを糧に…捕手で目指すプロ
目指すは勝てる捕手「守備を磨いて、4年後のプロを目指します」
夏休みが終わってからは、ほぼ毎日、下級生とともにグラウンドで練習をしている。「手伝い」ではなく、現役当時と同じ気持ちでボールを追う。
ポジションはサードではなく、キャッチャーだ。取材当日もキャッチャー防具を着けて、大きな声で指示を出す笹田の姿があった。
「自分は負けず嫌いなので、キャッチャーとして谷口に負けたのが悔しい。自分に腹が立つ。大学ではもう一度、キャッチャーに挑戦します」
大学は、庄司、庄田、求の投手陣とともに、東海大に進学する予定だ。「めちゃくちゃ心強いです。1日でも早く、先輩やチームメートから信頼を得て、『なぜか、笹田がキャッチャーをやっていると、勝てるよな』と言われるようなキャッチャーになりたいです。バッティングには自信があるので、守備を磨いて、4年後のプロを目指します」。
目標にするのは、どことなくシルエットが似ている甲斐拓也(ソフトバンク)だ。笹田は172センチ82キロで、甲斐は170センチ87キロ。大学で体作りに励めば、体重はおのずと増えていくだろう。
もう2度と、悔し涙は流したくない。この夏の悔しさを糧に、勝負にとことんこだわり、勝てるキャッチャーを目指す。
(大利実 / Minoru Ohtoshi)
○著者プロフィール
大利実(おおとし・みのる)1977年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、スポーツライターの事務所を経て、フリーライターに。中学・高校野球を中心にしたアマチュア野球の取材が主。著書に『高校野球継投論』(竹書房)、企画・構成に『コントロールの極意』(吉見一起著/竹書房)、『導く力-自走する集団作り-』(高松商・長尾健司著/竹書房)など。近著に『高校野球激戦区 神奈川から頂点狙う監督たち』(カンゼン)がある。