広島戦力外から開花、初登板から22試合連続無失点も 育成から這い上がった救援投手
オリ宇田川は7月末に支配下に…ポストシーズンでも活躍した
今季のパ・リーグでは20人の育成選手が支配下へ昇格。昨季の11人を大きく上回った。支配下復帰組だけでなく、1軍で活躍する新人も登場。特に印象的な活躍を見せたのが中継ぎ投手だ。今回は今季支配下昇格を果たしたリリーバーを振り返る。
まずはオリックス・宇田川優希投手。1年目の昨季はファームで1登板だったが、今季は15登板で防御率1.88の好成績を残し、7月28日に支配下へ。最速157キロをマークする力強い投球スタイルで注目を集め、9月8日の西武戦でプロ初勝利をマークした。以降は優勝争いを演じるチームの勝ちパターンに定着し、ポストシーズンでも6試合に登板。シーズン終盤に欠かせない戦力となった。
オリックス・近藤大亮投手は2017年から3年連続で50試合登板するなど中継ぎ陣の一角を担っていたが、2020年に右肘のトミー・ジョン手術を受け育成契約に移行。リハビリを経て実戦復帰を果たした今季は、開幕からファームで8試合連続無失点と圧倒的な投球を見せ、4月25日に支配下へ返り咲き。3年ぶりの白星を手にするなど15ホールド、1軍定着後キャリアハイとなる防御率2.10をマークした。
ソフトバンクでは藤井皓哉投手が大車輪の活躍を見せた。2014年ドラフト4位で広島へ入団するも、2020年に退団。それでも昨年、四国アイランドリーグplus・高知ファイティングドッグスで好成績を収め、今季育成契約でNPB復帰を果たした。オープン戦でアピールに成功し、開幕直前の3月22日に支配下昇格。力強い速球と横滑りしながら鋭く落ちる「フォースラ」を武器に、55試合で5勝1敗22ホールド、防御率1.12とプロ7年目でのブレークを遂げた。来季は先発転向も予想されており、新たな持ち場での働きに注目が集まる。