吉田正尚を獲得の裏で…球団が認めた「敗北」 “戦力外”に波紋、有望株の大誤算

入団会見を行ったレッドソックス・吉田正尚【写真:Getty Images】
入団会見を行ったレッドソックス・吉田正尚【写真:Getty Images】

吉田をメジャー契約の40人枠に入れるために、ダウンズを戦力外にした

 レッドソックスは15日(日本時間16日)、オリックスからポスティングシステムを利用した吉田正尚外野手と5年契約を結んだと正式発表した。吉田をメジャー契約の40人枠に入れるために、ジーター・ダウンズ内野手のDFA(事実上の戦力外)も合わせて発表している。ダウンズは、2020年開幕前にムーキー・ベッツをドジャースに放出したときの対価のひとり。GMもトレード失敗を認めざるをえない状況になっている。

 レッドソックスの地元メディア「マスライブ・コム」は、「マサタカ・ヨシダをフェンウェイパークで紹介した当日、彼をロースターに加えるための対抗手段がさらに波紋を広げたようだった」と伝えている。ダウンズは2020年2月にベッツとデビッド・プライスとのトレードでアレックス・ベルドゥーゴ、コナー・ウォンとともに加入。当時はMLB公式の有望株ランキングのトップ100に入っており、「鍵となるピースだった」としている。

 しかし、2020年のマイナーリーグが新型コロナウイルスの影響で中止になってからは伸び悩んでしまった。2021年はマイナー3Aで99試合に出場して打率.191、今季も3Aで81試合に出場して打率.197だった。今夏にはメジャー初昇格も果たしたが14試合だけに終わり、打率.154で1本塁打、41打席で21三振、三振率は51.2%と「ばかげた数字だった」と評している。

 ともに移籍してきたベルドゥーゴはレギュラーには定着したが、スターには育っておらず、記事では「少なくとも部分的には敗北を認めることとなった」と辛辣だ。また、ハイム・ブルーム編成本部長のコメントも紹介。「彼が非常に重要なトレードの、大きな部分を占めていたことは間違いない。我々が期待していたレベルに彼を持っていけなかったのは痛い」としながら、ベッツの代わりに獲得した選手ということは関係なくDFAに踏み切ったという。

 さらには「マサを加えることで、我々は厳しい決断をしなければならなくなることは分かっていた」とも。3年前のトレード失敗を認めてまでも、吉田を獲得したかったという本気度の現れでもある。今回の動きがレッドソックスの未来にどのような影響を与えるのかにも注目だ。

(Full-Count編集部)

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