練習でヘトヘト→ご飯食べない“悪循環”断つには? 管理栄養士が教える効果的な「分食」法

横浜高野球部の元寮母で管理栄養士の渡邊元美さん【写真:伊藤賢汰】
横浜高野球部の元寮母で管理栄養士の渡邊元美さん【写真:伊藤賢汰】

練習で疲れてしまう息子に送迎の車中でおにぎり 分食のススメ

 渡邊さんは何とかして食事を取らせるため、1つの考えにたどり着いた。練習が終わって車に乗ったと同時に、おにぎりを食べさせる方法だった。1回あたりの食事量が減っても、回数を増やして1日のトータルで必要な量を摂取する「分食」の考え方。車の中でおにぎりを食べてエネルギーを補うと体が回復するのか、佳明さんは帰宅してから熟睡せず、夕食を食べるようにもなった。そして、高校から大学にかけて身長が一気に伸びた。

 横浜高の寮母を退き、管理栄養士として小、中学校などで栄養指導をする今、野球ママから悩み相談される機会が増えた。「食が細い」という悩む保護者には「1日5食、6食に分けてトータルで必要な量に到達すれば問題ありません」と分食を推奨する。

 渡邊さんが勧めるのは一口サイズのおにぎり。練習前後や食事の合間に手軽に食べられる。もうひとつ有効なのは、子どもに気付かれないように量を増やす方法。いつも茶碗に盛るご飯の量を、毎週スプーン1杯分増やしていく。渡邊さんは「子どもにたくさん食べさせたくて最初から大盛や丼にしがちですが、視覚でお腹いっぱいになってしまいます」と説明する。

 体の成長にも、野球の技術向上にも不可欠な食事。保護者のひと手間、ひと工夫が大きなサポートとなる。

(間淳 / Jun Aida)

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