衝撃はジャッジの492億円以上? 21年前に10年280億円契約の大選手…薬物疑惑の晩年

ヤンキースなどで活躍したアレックス・ロドリゲス氏【写真:ロイター】
ヤンキースなどで活躍したアレックス・ロドリゲス氏【写真:ロイター】

アレックス・ロドリゲスはキャリア前半に5度の本塁打王、後半は不良債権化

 MLB公式サイトは14日(日本時間15日)に「MLB史上最大のFA契約ランキング」と題する記事を掲載した。今オフ、ヤンキースがアーロン・ジャッジ外野手と結んだ9年3億6000万ドル(約492億1400万円)の契約が最大とされている。。トップ選手の年俸が跳ねあがる近年の状況を反映し、最近の契約が並ぶ中で異彩を放つのが、ヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手が2000年代に結んだ契約がいまだに9位、10位にランクされていることだ。

 10位にランクインしているのは、デビューしたマリナーズからレンジャーズ入りした2001年からの10年2億5200万ドル(約344億5000万円、当時のレートで約280億円)の契約だ。記事は「当時のFA最高額を完全に打ち破った」と紹介。どれほどの巨額だったかといえば、ロドリゲスと並ぶFA戦線の目玉とされていたマイク・ハンプトンとロッキーズが、その数日前に結んだ1億2100万ドル(約165億4100万円、当時のレートで約134億円)という契約の、2倍以上の規模だった。

 そしてロドリゲスは、金額に見合う働きをした。レンジャーズでプレーした3年間すべてで本塁打王に輝き、ヤンキースにトレードされるまで平均52本塁打、132打点を記録した。2004年にヤンキースにトレードされてからも、この契約は履行された。2005年、2007年と2度の本塁打王を獲得し、順調そのものに見えた。

 ただ、次の契約は議論を呼んだ。このランキングでも9位にランキングされている、2008年からの10年契約だ。総額2億7500万ドル(約369億1000万円、当時のレートで約308億円)の契約で。2007年のワールドシリーズ第4戦の試合中に、ロドリゲスの代理人であるスコット・ボラス氏が最初の10年契約を3年残して破棄すると発表。試合中というタイミングとあわせ、論争が起こった。そしてロドリゲスは後に、この契約破棄について「大失敗。この失敗についての対処が極めてお粗末だった」と語ったという。

 最初の10年契約とは異なり、この契約期間中のロドリゲスは苦しんだ。打撃3部門のタイトルを獲得することはなく、指名打者としての出場も増えていった。2014年には薬物問題でシーズンの全試合出場停止処分も受け、2016年8月に突然引退を発表した。

 未だにトップ10に2つの10年契約がランクインしているロドリゲス。存在が突出していたことがわかる。良くも悪くも、話題になり続ける現役生活だった。

(Full-Count編集部)

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