野球部員の上手な“増やし方” ターゲット明確に…「楽しさ」より伝えるべき事実

トレーニングコーチ・塩多雅矢さん【写真:伊藤賢汰】
トレーニングコーチ・塩多雅矢さん【写真:伊藤賢汰】

「野球は楽しい」の勧誘文句は響かない?

 また、チームスポーツでありながら打席では個の対決となる。チームと個人、どちらでも成長するチャンスがあり、日々上手くなる実感を得られるとプレゼンした。塩多さんはこう言う。

「野球は楽しいと感じている生徒は、声を掛けなくても入部します。競技が楽しいというよりも、野球を通じて成長する楽しさを伝えるようにしました。勧誘の対象を明確にしないと、せっかく頑張っても成果が出ません」

 戦略を練って勧誘した結果、その高校では野球初心者2人が入部した。さらに、これまで1人もいなかったマネジャーが5人も加わった。部員不足に悩む他の部活に頼まれて野球部を抜けてしまったマネジャーはいるものの、野球部が嫌になって辞めた生徒はいないという。

 子どもの数が減り、野球以外の選択肢が増える中、新たな部員獲得は簡単ではない。少年野球でも、メンバーが足りずに存続が難しくなっているチームもある。だからこそ、野球の特性やチームの特徴を理解して、ターゲットを絞った勧誘が有効になる。

(First-Pitch編集部)

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