直訴続きの西武、更改の舞台裏 一枚上手の渡辺GM「あんなの爆発のうちに入らない」
平良の「大爆発」発言にも…百戦錬磨のGMは「あんなもんじゃないよ」
今月1日には今井達也投手が更改後、入団時から付けてきた背番号「11」を来季から「48」に変更すると発表。尊敬する先輩で今季限りで現役を引退した武隈祥太氏の番号を受け継ぐのだが、自ら球団に直訴してエース級の番号から大きな数字へ変更するのは極めて異例のケースで、渡辺GMは「本当にいいのか?」と念を押したほどだった。
そして翌2日には、平良が先発転向を求めて更改を保留。2019年のオフから希望し続けてきたとあって、会見では「(先発したい気持ちが)つのって今、大爆発」と胸中を表現した。
球団側はチーム事情から当初難色を示したが、一方で渡辺GM自身は西武で14年、ヤクルトで1年、台湾プロ野球でも3年、主力投手として投げ続けただけに、選手の気持ちもよくわかる。会見では「平良は『大爆発』と言ったらしいけれど、大して爆発してないですよ。あんなのは爆発のうちに入らない。大爆発っていうのはあんなもんじゃないよと、俺は思っている」とジョークを混えて笑わせた。現場の首脳陣とも相談の上で、2日後の4日に2度目の交渉を行い、先発転向を容認し契約を更改した。
こうして見ると改めて、西武には個性的ではっきり自己主張できる選手が多いと実感する。渡辺GMにしてみれば容易ではないが、全選手の契約更改を終え、会見では「契約ですから、いろいろなことがあって当然。びっくりしないでください。みんな想定内です」と穏やかな表情で振り返った。気苦労も多いはずだが、4年ぶりのリーグ優勝を目指し、力強くチーム再編を続けていく。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)