“打撃4部門で1位”「台湾の山田哲人」が快挙…初の二塁手MVP 2022年CPBL表彰選手

林智勝は40歳シーズンで打率.300、10本塁打62打点…DHでベストナインに

 新人王には、味全の陳冠偉が選出された。元プロで興農ブルズ(富邦ガーディアンズの前身)では監督もつとめた陳威成氏を父にもつ陳冠偉は2019年ドラフトで新球団の味全から17巡目(21人目)で指名され入団。昨季、初の一軍マウンドを踏むと、中継ぎで27試合に登板し8ホールドをマーク。今季はチーム最多となる49試合に登板、シーズン終盤からはクローザーを担い、3勝2敗8ホールド、9セーブ、防御率3.13と活躍した。MAX150キロ超の直球とフォークのコンビネーションで、46回で61三振を奪った。

 受賞スピーチで「新人王は不思議な気持ちだ。プロは子どもの頃からの夢だった。下位指名だったが、まずはチャンスをくれた味全球団、そして方向性を示してくれたコーチ、さらには家族に感謝したい」と語った陳冠偉。この時はマウンド上と同様のポーカーフェースだったが、サプライズで両親が登場、抱擁されると感極まって涙を流し、会場は大きな拍手に包まれた。現在アマチュア指導者を務める陳威成氏にとっては、新人王に輝いた息子に加え、「最大成長賞」を受賞した呉哲源は中学、大学の教え子。内野手から投手転向をアドバイスしたのも陳氏だという。

 ベストナインの投手、捕手部門は、中信兄弟の連覇に貢献したホセ・デポーラとフランシスコ・ペーニャのドミニカ共和国出身のバッテリーが受賞した。ペーニャはゴールデングラブ賞とのW受賞、共に外国人捕手の受賞は初という快挙だった。打撃成績は71試合で打率.255、5本塁打、28打点と目を引くものではなく、巧みなリードと盗塁阻止率.529の肩、ディフェンス面が評価されての受賞だといえる。残り8選手のうち、一塁手の范國宸(富邦)、三塁手の王威晨(中信)、遊撃手の江坤宇(中信)、外野手の陳傑憲(統一セブンイレブンライオンズ)と郭天信(味全)の5人はゴールデングラブ賞とのW受賞となった。

 DHで受賞した林智勝は昨オフにノンテンダーで中信兄弟を放出され、味全入り。チーム開幕戦で、張泰山が持っていたリーグ通算本塁打記録の289本を更新する290号をマークすると、年間を通じ中心打者として活躍。300号達成こそならなかったものの103試合で打率.300、10本塁打、62打点と、40歳にして復活を遂げた。

(「パ・リーグ インサイト」駒田英)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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