鈴木誠也のWBC参戦が侍Jにもたらす“価値” 守備コーチが「リスペクト」する理由

侍ジャパン・吉村禎章打撃コーチ【写真:荒川祐史】
侍ジャパン・吉村禎章打撃コーチ【写真:荒川祐史】

鈴木は昨夏の五輪では不振も、4番として勝利のために奮闘

「全ての面でトップクラスなのはもちろんですが、五輪の時も一緒にやりましたけど、監督がよく言われるハート、魂の面。そこも大きいですね」

 鈴木は昨夏の東京五輪では4番を任されながら、不振にあえいだ。1次リーグでは無安打に終わり、結局5試合で打率.167(22打数3安打)、1本塁打1打点。それでも4四球を選び、盗塁も決めた。決して心折れることなくチームのために尽くし、勝利に貢献しようと奮闘する姿は清水コーチの目に焼き付いている。「素晴らしい選手だと思ってリスペクトしているので、入ってきてくれてうれしいです。翔平もダルもそうだけど、向こう(米国)に行っている人間がシーズン前に大事な試合をやるのは、簡単な決断じゃなかったと思う。大変な中で引き受けてくれたことに感謝しています」と言葉に力を込めた。

 11月には栗山ジャパンの“初陣”として強化試合4試合を戦った。両コーチともに感じたのは指揮官の勝利への執念だった。吉村コーチが「本戦ではない中で勝ちにこだわっていた。色々なことを想定しながら進めている印象が強かったです」と話せば、清水コーチも「勝つことを最優先にしないといけない大会ということを凄く意識されている。強化試合では自分のやりたい野球、それが誰を使うとできるのかを試されていたと思う」と印象を口にした。

 WBCで目指すのは世界一だけ。吉村コーチは「必死になって栗山監督の下、戦います。監督を胴上げしたいと思います」、清水コーチは「国民の皆さんに勝って力を与えられるように精一杯努力します」と誓いを立てた。

(町田利衣 / Rie Machida)

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