清宮幸太郎が「フライボール革命」 高ければ好成績とは限らず…3冠王は“意外な数値”
300打席以上の打者を比較…村上は50.4%で23位、吉田正は42.1%で60位
近年メジャーリーグでトレンドとなっている「フライボール革命」。統計的に、ゴロよりもフライを打ち上げた方がヒット、本塁打の確率が上がるという考え方だ。2022年のプロ野球で、フライの割合が高かった選手は誰なのか。セイバーメトリクスの指標で分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを基に検証した。
長距離打者が高くなりがちなフライ割合(FB%)。300打席以上立った選手の中で、最も高かったのは日本ハム・清宮幸太郎内野手で62.0%だった。清宮は2022年、初めて規定打席に到達して自己最多の18本塁打。2021年は1軍出場なしに終わったが、2020年の44.0%から大きく伸ばした。今季は新球場を本拠地に何発打つだろうか。
2位はヤクルト・山田哲人内野手で62.0%。3位は5年連続30本塁打以上の巨人・岡本和真で60.5%。4位には中日・木下拓哉が59.9%で入った。パ本塁打王の西武・山川穂高は59.1%で6位だ。セ3冠王のヤクルト・村上宗隆は50.4%で23位と思いのほか高くない。昨年も47.6%だった。
2021年に62.2%で1位だった阪神・佐藤輝明は56.9%で8位に落ちた。また、アッパースイングでフライを打つイメージがあるソフトバンク・柳田悠岐は43.8%で52位、5年9000万ドル(約119億円)の大型契約でレッドソックスに移籍した吉田正尚は42.1%で60位だ。ただ、打球の強さをSoft%、Mid%、Hard%に分類すると、村上はHard%で1位の48.5%、吉田正は2位の46.0%。打球の高低関係なく強い打球を放っていることが分かる。
今季300打席以上立った打者で最もフライ割合が低かったのはソフトバンク・柳町達で26.0%。他に20%台はヤクルト・山崎晃大朗で29.2%だった。30%台前半には2022年の盗塁王に輝いたロッテ・高部瑛斗ら好打者タイプが多い。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。