保護者の当番制が「悪いとは感じていません」　野球ママが感じた「楽しさや充実感」

横浜高の元寮母・渡邊元美さんは息子は楽天でプレーする佳明選手

　横浜高の野球部で寮母をしていた管理栄養士の渡邊元美さんは、楽天に所属する渡邊佳明内野手を育てた野球ママだった。チームの婦人部長も経験。野球チームにおける保護者の当番に否定的な意見は少なくないが、渡邊さんは当番制に納得した上でチームに入れば、保護者も有意義な時間を過ごせると話す。

　野球人口減少の要因の1つに挙げられるのが、保護者の負担だ。他の競技と比べて練習時間が長く、小中学生のチームでは保護者の役割も多いと言われている。

　最近は負担を最小限にするチームが増えているが、保護者の当番制は決して悪い面だけではないと話す経験者もいる。横浜高で寮母をしていた渡邊さんも、その1人だ。息子の佳明が中学生の頃に所属していた横浜市の「中本牧シニア」では婦人部長を務めていた。

「やっている時は大変でしたが、終わってみると嫌な記憶は全くありません。楽しさや充実感でいっぱいです」

　当時、渡邊さんは寮母をしながら、子どもの送迎やグラウンド内のサポートに参加していた。「物理的にも、能力的にも婦人部長さんのようにはできませんでした。周りが助けてくれました」。毎週末チームの練習や試合に参加できるわけではなかったため、他の保護者に支えられたという。寮母の仕事も母や姉のサポートを受けた。