球速20キロ増のドラ1、12球団が羨む“打てる捕手” 楽天の「プロスペクト5人」

楽天・安田悠馬(左)と黒川史陽【写真:荒川祐史】
楽天・安田悠馬(左)と黒川史陽【写真:荒川祐史】

覚醒前夜の若手を独断で選出…厚い選手層を打ち破る有望株は現れるのか

 2022年の楽天は、貯金「18」から急ブレーキで借金「2」の4位に終わった。一方で、石井一久監督が2022年まで兼任していたGMとして、ドラフトで指名してきた有望株たちが着実に力をつけている。1軍の戦力層は厚いが、一気にスターに駆け上がるポテンシャルを秘めた若手がズラリ。プロスペクトの「トップ5」を“独断”で選出してみた。

 5位は、高卒4年目を迎えた21歳の武藤敦貴外野手。2022年は1軍で43試合に出場して打率.250、1本塁打、9打点、OPS.698と経験を積んだ。2軍では46試合に出場して打率.336、3本塁打、13打点、OPS.917と圧倒的な数字を残しており、すでにやることはないだろう。右翼の開幕スタメンをもぎ取って、レギュラー定着の可能性は非常に高い。4位は2021年ドラフト1位の吉野創士外野手。今季は2軍で打率.197とまだまだ粗削りだが、19歳ながら打球を飛ばすポテンシャルはずば抜けている。

 3位には、2年目を迎えた「エンジゴジラ」こと安田悠馬捕手を推したい。2022年はロッテとの開幕戦に「8番・捕手」としてフル出場し、新人捕手の開幕戦先発は球団史上初の快挙となった。開幕4試合目ではプロ初本塁打も放ったが、3月31日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けて無念の離脱。その後の昇格はなく、2軍で経験を積むことになった。イースタンでは30試合で打率.257、4本塁打、15打点、OPS.851。「打てる捕手」という存在自体が貴重なため、コンバートせずに育てたい。

 並々ならぬスター性にファンもすでに気づいている「天才」を2位に挙げる。2019年ドラフト2位の黒川史陽内野手は、高卒ながらルーキーイヤーに1軍キャンプを完走すると、9月に1軍デビューして犠飛で初打席初打点をマークした。ゆくゆくは長くレギュラーを務める選手になってほしいが、今季は2軍で94試合に出場して打率.262、6本塁打、50打点、OPS.702と、過去2年に比べると成績を落としているのが気がかり。定位置奪取のためには、まずは2軍で圧倒的な打撃成績を残したい。

 栄えある1位は、2022年ドラフト1位の荘司康誠投手を選びたい。すでに即戦力として開幕ローテーションを狙える力があると同時に、さらに成長すればエースの座を射止める伸びしろもあるからだ。188センチの長身から最速157キロの直球とカットボール、スプリットを駆使して三振を奪う。大学入学時の球速は130キロ前後だったが、約20キロの大幅アップを成し遂げており、160キロも夢ではないだろう。東京六大学リーグでは、4年時に15試合で3本塁打をマークしており、交流戦では打撃も必見だ。

 この5人以外にも、才能ある若手は多い。特に投手は、アピール次第ですぐにでも1軍の戦力に食い込んできそうだ。野手は12球団でもトップクラスの戦力層を誇り、すぐに世代交代とはいかなさそうだが、まずは2軍で結果を出していきたい。2013年以来となる優勝、そして常勝軍団を作っていくためには、補強だけではなく若手の底上げが必須だ。

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