「無理でもやろうと」目指した合計266キロ 元両投げ投手が56歳で挑んだ“世界記録”
近田豊年氏は10月に両投げギネス記録に挑戦…計233キロで失敗した
関西に18店舗ある「駅前ゴルフスクール」の校長・近田豊年氏は元プロ野球選手だ。南海、阪神の2球団で計4年間プレー。右でも左でも投げるスイッチピッチャーだったことで知られる。阪神退団後、ゴルフに転身したが、57歳になった今も野球は続けている。2022年の10月12日には左右合計の「球速266キロ」を目指すギネス挑戦を行った。それにしても何がそこまでさせるのか。この裏には野球に取り組む11歳の息子の存在があった。「体が動くうちに、何か見せたいなと思って……」。
わかさスタジアム京都で行われたギネス挑戦は左122キロ、右111キロの合計233キロ。残念ながら新記録の266キロに届かず、失敗に終わった。「最初、1年半前に55歳で左右合計何キロって申請したら駄目って言われたんですよ。年齢では区別してませんって。で、新しく左右合計で何キロ投げられるかで申請したら今度は『OK』。返事が来て265キロと書いてあった。記録あるんかって思った。これは無理やろって思っていた」
新記録の266キロには例えば左136、右130で“合格”となる。「その数字はさすがに年齢的にも無理ですよね。でも大事なのは息子だけでなく、野球をやっている子どもたちに頑張っているところを見せること。無理でもやろうと思った。練習とかから映像に残しながらSNSにもあげた。メーンはそっちの方だったんです」。終わった時にはこう言った。「もう挑戦は子どもたちに託します」と……。
11歳の息子・球丸(きゅうま)くんは子役の仕事もして映画にも出演しているが、本格的に野球をやりたがっているという。ポジションは近田氏と同じピッチャー。「右のオーバースロー。肩が強いです。左? それはまだ……。僕はもうちょっと右にしとこうかって言ってます」と、この先の成長が楽しみでしかたない様子だ。