「無理でもやろうと」目指した合計266キロ 元両投げ投手が56歳で挑んだ“世界記録”
現われぬ両投げ投手「子どもの頃からやればできると思う」
もちろん「駅前ゴルフスクール」校長としても、これまで同様に全力投球の構えでいる。「店舗数は増えていってます。この前は、ベトナムのスポーツのえらい会長さんが、ちょっと見せてくださいって来られたんですよ。ぜひ、これをベトナムへって言われました」。いい汗をかき、気持ちよく練習して、うまくなる、満足して帰ってもらう、また練習に来たいと思ってもらえる、そんなシステムとの自負もある。こちらもまだまだこれから……。
振り返れば日本プロ野球界で、これまで両投げ投手として登録されたのは近田氏だけ。ただ、公式戦では左投げオンリーだったため、ペナントレース中に両投げを披露した投手はまだひとりもいない状況が続いている。この先も出てこないのだろうか。「アマチュアには何人かいますけど、プロになる人はいませんね。でも子どもの頃からやれば、できると思いますよ。僕もその頃から右でも左でも投げていたから違和感なくやれたんでね」。
近田氏はスイッチピッチャーを育てたい気持ちについて「それはあります」と言い切った。これまで、いろんな大胆なことをやってきた。それだけに、またもしかしたら……? 気がつけばゴルフと野球の二刀流生活が当たり前になった。マスターズ甲子園の高知県大会にも母校・明徳義塾のユニホームを着て出場した。「駅前ゴルフスクール」の校長でありながらも、まだまだ野球との縁は切れそうにない。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)